沖縄タウンの成り立ち

『沖縄タウン』化計画とは?


“ 沖縄学の父 ” と呼ばれる「伊波 普猷(いは ふゆう)」や、『おもろさうし』の研究で有名な「仲原 善忠(なかはら ぜんちゅう)」など、高名な沖縄の学者が住んでいた杉並区。その影響で、23区内でも沖縄関係の方の在住が多く、沖縄料理の店も都心では一番多いという背景がありました。さらに、昨今の物産ブームで沖縄産品に商品力があることにも着目!街おこしのテーマを “ 沖縄 ” として、『沖縄タウン』が誕生しました。この取り組みは、寂れかけた商店街の活性化のために、商店街の強みである “ 個店の連なり ” を最大限に活かして街を再生させた、全国初の試みでした。

都会の人が出会ったことのない沖縄の発見&体感できる街!!


和泉明店街 沖縄タウンは、平成17年3月、甲州街道の歩道橋改装に合わせてオープンしました。沖縄ブームを一過性のものにしないため、沖縄の食材・文化を、都会の人々の生活の中に当たり前にある、身近なものにしていく。それが『沖縄タウン』の役割と考え、街のコンセプトを「都会の人が出会ったことのない沖縄の発見&体感できる街」としました。

『和泉明店街』の紹介


和泉明店街は、『ひとつ屋根の下』など、テレビドラマのロケ地としても使われたことがある懐かしい街並みを残す商店街です。新宿から京王線で2駅、代田橋駅を降りて徒歩5分の立地で、環状七号線と甲州街道の交わる大原交差点のすぐ近くにあります。駅と住宅地の中間に位置するため、通勤・通学路にもなっています。平成17年当時、周辺には企業の進出が目立ち、人口も増加傾向にありました。総延長380メートル、商店会員登録数は74店舗と、こぢんまりとした商店街ですが、沖縄県那覇市の『栄町市場』と似た雰囲気の『大都(だいと)市場』を持つなど、遊回性のある構造をしています。

『沖縄タウン』の具体化


沖縄タウン化を進めるにあたり、空き店舗に沖縄からの出店をお願いし、どの場所にどの業種の店を誘致するか等を検討して配置していきました。既存店も沖縄商品の取扱いを始め、街全体で沖縄タウン化を推進しました。


街並み整備事業の一環として、商店街入り口に『首里城』の柱を模した街路灯を設置したり、各店のテントを『みんさー織柄』に統一したり、核となる『めんそ~れ市場』入り口の沖縄風装飾をしたりと、沖縄の雰囲気づくりに取り組みました。また、イベント事業、プロモーション事業費については、杉並区の『千客万来アクティブ商店街事業』の補助金を申請し、認可を得て各事業を実施しました。さらに、テナント事業や沖縄商品卸事業を確実に行うことを目的に、商店主だけで出資し、商店街株式会社も設立しました。


沖縄の雰囲気づくりとしては、商店街入り口に『首里城』の柱を模した街路灯を設置したり、各店のテントを『みんさー織柄』に統一したり、核となる『めんそ~れ市場』入り口の沖縄風装飾をしたりして、街並みの整備を進めました。また、イベント事業、プロモーション事業費については、杉並区の『千客万来アクティブ商店街事業』の補助金を申請し、認可を得て各事業を実施。食材や伝統工芸品等の物販のほか、沖縄文化を体験できるようなイベントも毎月開催しました。さらに、テナント事業や沖縄商品卸事業を確実に行うことを目的に、商店主だけで出資し、商店街株式会社も設立しました。このように、次世代の理解者を増やし、地元周辺にも “ 沖縄 ” を身近なものに感じてもらえるよう、様々な努力を重ねていきました。

和泉明店街『沖縄タウン』化事業 記録

事業の目的

「都会の人が出会ったことのない沖縄の発見&体験できる街」というコンセプトのもと、街全体を『沖縄タウン』化し、広域から集客できる商店街に変えて活性化を図る。

商店街の現状(立地環境・商店街のタイプ)

京王線で新宿から2つ目、甲州街道と環状七号線に接する好立地にあり、半径1㎞以内に約7万5千人の人口がある。周辺には企業の進出も目立ち若者の住民も多い。従来は地元の来街者で賑わっていたが、周辺に進出したディスカウントストア等との競合で苦戦、来街者の減少、空き店舗の増加などの問題が発生している。特に核店舗であった市場が衰退し、市場内の半数が空き店舗になったことの影響が大きく、早急な活性化策が必要となっている。


なお、杉並区を核として中野区・渋谷区・世田谷区・練馬区の大部分と、京王線・井の頭線沿線のほぼ全域は、交通費片道500円以下、所要時間30分~40分程度で来街できるため、これらを2次商圏とすると、約300万人の商圏人口となる。

事業の必要性と期待される効果

集客できない原因として、周辺の量販店等に対抗できる魅力が打ち出せないことにあり、他と差別化した商店街に脱皮する必要性があると考えた。

そこで、当商店街の特性である、回遊性を高めやすいレイアウト・交通の便がよい・商店街会員のまとまりがよい、という点を活かすことで、近隣だけでなく広域からも集客できる可能性が高いと考え、他に例のない『沖縄タウン』を作り、商店街の活性化を図った。なお、各道府県が東京に出店しているアンテナショップの売り上げは、沖縄県がトップということから首都圏の人々の沖縄への関心は非常に高いと考えられ、沖縄をテーマとすることで他の量販店以上の集客効果を期待した。


沖縄をテーマとした “ 楽しい街・遊べる街 ” を作ることにより、周辺の大型店に対する競争優位性が確保でき、近隣住民の来街を推進させるとともに、広域からの集客を見込んだ。また、街並みが整備され、空き店舗が核店舗に変わり、既存店が統一された基準に沿って店舗の装飾・品揃えの拡充・接客方法の改善を行うことにより、街の一体感が出て、様々な商いが増加、将来の雇用創出につなげていくことを目指した。

沖縄タウン誕生時に作成したホームページは、こちらよりご覧いただけます。